実際、現在では、ヘルスケアの分野、とくに補聴器をはじめとした「きこえの技術」において、急速に進化をもたらしています。
AIの力により、先進の補聴器は、よりクリアで自然なきこえを、場面に応じて賢く実現できるようになりました。まるで補聴器の中に小さな脳があるかのようです。
さらに、それだけにとどまらず、AIを搭載した補聴器には、これまでにないさまざまな可能性が広がっています。その話に入る前に、まずは「AIとは何か?」簡単に整理してみましょう。
AIというと、どこか難しく、謎めいた存在に感じるかもしれません。しかし本質はとてもシンプルです。AIとは、人と同じように「経験(データ)から学ぶ」技術のことです。
AIは、十分なデータを学習することで、パターンを見つけたり、判断したり、さらには新しいアイデアを生み出すこともできます。ただし、人がそれらを自然に、時間をかけて学んでいくのに対し、AIは、データを基に効率的に高速に学習する点が大きな違いです。
AIが学ぶもっとも一般的な方法のひとつは、大量のデータを学習することです。この手法は機械学習と呼ばれ、コンピューター(PCやスマートフォンなど)の中で動くAIが、パターン(共通点や傾向)を見つけるのに役立ちます。
例えば、AIに「犬」を画像で認識させたい場合、「犬」とラベル付けされた何千枚、何万枚もの画像を見せることで、AIは、犬には、通常毛があり、4本の足があり、しっぽやひげがあるといった特徴を学習していきます。こうして十分な学習を重ねることで、AIは新しい画像を見たときにも「これは犬だ」「これは犬ではない」と判断できるようになるのです。
ディープラーニングでは、AIは「ニューラルネットワーク」と呼ばれる人の神経に似た仕組みを使って、データから自ら学習していきます。人が特徴を一つひとつ教えなくても、何百万回もの小さな学習を積み重ねることで、「どこに注目すべきか」「何が重要な違いか」を、AI自身が見つけていきます。この学びは、小さな子どもたちが周囲を観察しながら少しずつ自然に学んでいくプロセスに似ています。
こうしたディープラーニングの発展により、AIは「見分ける」だけでなく、「新しく生み出す」こともできるようになってきました。
その代表例が、現在もっとも進んだAIのひとつされる生成AIです。生成AIはこれまでに学習した内容をもとに、文章や画像を作り出したり、さまざまな予測を行ったりします。
たとえば、文章を扱う生成AIは「大規模言語モデル」という仕組みで動いています。
これは、膨大な量の文章データから言葉のつながりを学び、自然な文章を生み出したり、質問に対して適切だと考えられる回答を返すことができます。
では、こうした「AI」はわたしたちの「きこえ」をどのように変えているのでしょうか。スターキー最新の補聴器「オメガ AI」を例に、AIの役割を見ていきましょう。
ここからは、補聴器に搭載されたAIがどのように機能し、きこえの向上だけでなく、日常生活をより快適にするためにどのように役立っているのかをご紹介します。
スターキーでは、「きこえの健康」という視点からAI技術を活用し、より直感的で自然、そして一人ひとりに合うきこえを補聴器で実現しています。
音をただ大きくするのではなく、静かな環境や騒がしい、あるいは風が吹く場所など、そのときどきの周囲の状況をAIが分析し、会話をはじめとする「ききたい音」に自然と集中できるよう、音の処理を最適化します。
オメガAIは、AI技術を自動かつリアルタイムで活用し、次のような働きを実現します:
・周囲の音環境を分析し、その瞬間に適した聞こえ方へと調整
・声とそれに似た雑音を丁寧に聞き分けることで、にぎやかなレストランや、会合でも会話をよりクリアに
・補聴器の設定を自動で調整し、いつでも快適なきこえを維持
・大切な音への気づきを保ちながら、安心して会話に集中できるきこえをサポート
その結果、きこえはより自然に会話などにも積極的に加われることで、より自分らしくいられ、より楽に周囲とつながることができます。日常のきこえを理解するために設計された、スターキー独自の賢いAI技術があなたを支えています。
オメガ AIはこうした「いつでも・どこでも・自動で」きこえを支える直感的なAIに加えて、必要なときに使える、追加的な機能も備えます。またきこえの体験だけでなく、日々の健康や快適さを支えるトータルなサポートを提供します。それらはどのようなものでしょうか?
必要な時にすぐに使えるAIが、きこえを追加サポート
きこえに不安を感じる場面は、誰にでも突然訪れます。たとえば、スポーツ観戦中に応援が急に盛り上がる、レストランでコーヒーマシンが動き出し会話が聞き取れなくなる――そんな経験はないでしょうか。
こうした「とっさの聞き取りにくさ」へ対応するために搭載されているのが、オメガ AIの「エッジモード+(Edge Mode+)」です。通常は自動で最適化されているきこえを、必要な時や特別な場面でさらに強化できる機能です。
学習を重ねたAIがその場の音環境を瞬時に分析し、その場できこえを調整。特に難しい状況での会話の聞き取りを高めます。エッジモード+は、補聴器のボタン操作、またはMy Starkeyアプリから簡単に起動できます。数百万の音パターンから学習したAIがエッジモード+をさせています。
人工知能(AI)は、補聴器を通じた日々の健康管理にも活用できます。
オメガ AIは身体の動きやスピード、姿勢などを感知するモーションセンサーを内蔵しています。AIがあなたの動きの特徴をもとにデータを分析し、歩いている、止まっているといった行動を自動で判別。さらに、歩数などの活動量も記録できます。センサーと連動しながら動きを認識するパターン認識と呼ばれるAI技術を使っています。
補聴器が検知した動きのデータは、My Starkeyアプリと連携され、スマートフォンで、日々の活動状況を確認したり、活動量の目標を設定したりすることが可能です。この仕組みは、転倒した時にあらかじめ登録した家族などに通知する転倒通知機能や、身体のバランス向上を目的としたエクササイズなどにも活用され、きこえだけでなく、安心や安全までをトータルで支えます。
スターキーの補聴器ではMyStarkeyアプリを併用で日々の健康を支える機能がお使いいただけます。身近なものでは、毎日「薬を飲む時間」を教えてくるリマインド機能といったものがあります。MyStarkeyアプリの機能にもAI技術が使われていますが、オメガAIでは、さらに一歩進んだ次世代型の機能も搭載しています。
生成AI(当社では「生成AIサポート」と呼んでいます)は、My Starkeyアプリにおけるきこえのサポートをさらに進化させる技術です。たとえば、最上位クラスとなるオメガAI 24に搭載されている「TeleHear AI(テレヒアAI)」では、きこえに関するお悩みを話しかけたり入力したりするだけで、チャット形式で状況を確認しながら、その場で音の調整を提案。ご自宅などいつもの環境での日々の「ちょっと聞き取りにくい」を、自分で手軽に見直せる新しい体験が生まれています。また、音声での補聴器操作や天気の確認など、日常をサポートする機能や、70以上の言語に対応した翻訳機能などにも、生成AIの技術が活用されています。
※生成AIサポートを活用した機能は最上位クラスのオメガAI24に搭載されています。
ここまでお読みいただき、AIがスターキーの補聴器にどのように活かされ、日々のきこえを支えているのかを、少しでも身近に感じていただけたでしょうか。
こうしたAIの進化をもとに生まれたのが、スターキーの 「オメガ AI」 です。
きこえにくさは、ある日ふと気になり始めるもの。一方で、「まだ大丈夫かな」「相談するほどでもないかな」と迷ってしまう方も少なくありません。不安を一人で抱えてしまう方も多いのが現実です。だからこそ、きこえを考えるときには、一人で悩まず、耳鼻科医やきこえの専門家に相談しながら進めていくことがとても大切です。
ちょっとした違和感や小さな困りごとも、相談することで見えてくる選択肢があります。まずは耳鼻咽喉科での聴力検査で、いまの「きく力」を知ることをおすすめします。より良いきこえへの第一歩は、ご自身の「きこえ」を知ることから始まります。
また、こちらから郵便番号を入力するだけで、お近くの補聴器販売店を簡単に検索できます。すでに補聴器をお使いの方でも、時間の経過とともに聞こえ方が変化することがあります。「以前より聞き取りにくいかも…」と感じることがあれば、あらためての受診やお買い上げの販売店やクリニックでの補聴器調整をご検討下さい。
「きこえは気になるけれど、今すぐには・・・」という方は、オンラインで約5分でできるきこえのチェックをぜひお試しください。チェック結果で気になる点があれば、その際はあらためて耳鼻科での聴力検査を受けてみましょう。
耳鼻科医で聴力検査を受け、現在のきく力を確認すること
ご自身のきこえについて相談できるかかりつけ医をお持ちでない場合は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が掲載している全国の補聴器相談医リストもご活用ください。
本ブログ記事はアメリカ本社において執筆されたものを、日本市場向けに加筆修正したものです。