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きこえは耳だけじゃない? 脳が支える「方向感」の仕組み

作成者: マーケティング部|26/07/13 2:29

犬や猫の耳が、音のする方向にくるりと向くその一瞬。かわいさに思わず目を奪われますが、あの愛らしい動きは、実はただかわいいだけではありません。

哺乳類の多くは、耳を音の聞こえる方向に向けることで「積極的に情報を取りにいく」聞き方をしています。受け身で「聞こえてくる」のではなく、自ら「聞きにいく」。

その能動的な姿勢が、あの"くるり"の一瞬に、ぎゅっと凝縮されているのです。

 

 私たちの脳は、音のする方向に注意を向けるため、向きを変えるように働きます。

 

では、ここで哺乳類つながりの想像をしてみてください。
もし人間も同じように耳が動いたら・・・ちょっと想像してみると、
思わず笑ってしまいますよね。
実のところ、私たち人間がこの能力を失ったのは約2,500万年前 のことだといわれています。ところが最近の研究によって、失われたこの機能を補うために、人間の脳が別の形でその役割を担うようになってきたことが分かってきました。
 
気になりますよね?今回は、このきこえに関する研究の背景や、結果、そしてあらゆる方向からのきこえを維持するために、先進の補聴器技術にどう役立っているのか、一緒に見ていきましょう。 

 

 

研究でわかってきた、人間の脳には音に「耳を向ける」仕組みがある?

歩くこと、そして歩く方向は、耳から届いた音を処理する脳の働きにどんな影響を与えてるのでしょうか?その疑問を検証するためにドイツの研究チームが興味深い研究を行いました。この研究では研究者たちは、運動中の脳の電気的活動を調べました。

 

この研究では、被験者に脳波(EEG:脳の電気的活動を記録する装置)センサーと動作センサーを装着してもらい、ヘッドホンから途切れなく音を流した状態で、8の字を描くように歩いてもらいました。
 

その結果、歩き始めるだけで脳の音処理能力が高まることが確認されました。さらに方向転換の際には、その変化がより顕著になり、脳は進行方向側から届く音を優先して処理していることが分かりました。

  

また、右方向・左方向へと曲がるたびに、脳が注意を向ける方向もそれに合わせて切り替わっていました。研究者らは、この現象を、「まるでステレオスピーカーの音像が左右に移動するように、あるいは実際に耳そのものを音の方向へ向けているかのようだ」と表現しています。

 

これらの結果は、人間にも動物のように耳を動かす代わりに、脳の中で”見えない耳”を音の方向へ向けるような仕組みが備わっている可能性を示しています。研究を主導した、中国・浙江大学の曹立宇(Liyu  Cao)氏は、この能力について「変化の多い環境でより素早く反応し、安全に行動するために進化してきた生物学的な適応である可能性がある」と述べています。

 

同氏は英国の科学誌『ニュー・サイエンティスト』の取材に対し、「この仕組みによって、変化の激しい環境でも素早く反応し、安全に移動できるようになる可能性がある」とも付け加えています。

 

さらにこの研究は、耳を動かして音の方向を探るネコやイヌなどの哺乳類とは異なり、人間は脳の中で”聞く方向”を切り替えている可能性を示しています。私たちは耳を動かすことはできませんが、そのかわり脳が「どの方向の音を優先して聞くべきか」を瞬時に判断し、周囲の状況を把握しているのかもしれません。  

 

 
音の方向感はわたしたちの安全を支えています

 

今回の研究が示すように、音がどこから聞こえてくるのかを把握する「方向感」は、わたしたちが安全に行動し、周囲の環境を正しく認識するうえで、重要な役割を果たしています。しかし、難聴になると、さまざまな方向から届く音を聞き分ける力が低下し、この機能に影響が及びことがあります。その結果、周囲の状況を把握する力や空間認識(周囲の環境の中で自分がどこにいて、どの方向を向いているのかを理解する能力)の低下につながる可能性があります。

 

例えば、難聴をそのままにしている人は、そうでない人と比べて転倒リスクが約3倍高くなることや不慮の事故やけがを経験するリスクが高まることが報告されています。

 

 

補聴器の技術は方向感と空間認識をサポートする

 

しかし、補聴器によってきこえを補うことで、音の方向や周囲の状況を把握する力を維持しやすくなり、より安全で安心な生活につながることが期待できます。 

 

例えば、スターキーの「オメガ AI」補聴器には、AI技術とモーションセンサーを活用した指向性システムが搭載されています。会話音声や周囲の環境音、補聴器ユーザーの動きを分析しながら、きくべき音を自動的に調整することで、会話の聞き取りと周囲への気づきの両立をサポートします。

 

この技術によって次のようなメリットが期待できます:

 

 

  • 周囲の状況を把握しやすく、大切な会話を逃さない
  • 環境音や会話の始まりをより明瞭に聞き取ることができ、周囲の変化や大切な会話に気づきやすくなります。
  •  
  • 騒がしい場所でも会話を理解しやすくなる
  • 雑音の中でも言葉を聞き取りやすくなり、会話にに集中しやすくなります。
  •  
  • 移動しながらでも自然な聞こえを維持できる
  • 部屋から部屋へ、あるいは異なる環境へ移動しても、その場に合わせたきこえをスムーズに届けます。

 

このような技術によって、さまざまなきこえの環境の中でも、周囲の様子に気づきながら、人との会話や日々の活動を安心して楽しめるようになります。そして、こうした積み重ねは、年齢を重ねても自分らしく、いきいきとした毎日を送ることにつながっていきます。

 

今回の研究は、きこえが単に会話を理解するためだけのものではなく、周囲の状況を把握し、安全に行動するためにも重要な役割を果たしていることを示しています。普段は意識することの少ない「音の方向を感じ取る力」も、私たちの暮らしを支える大切なきこえの一部なのです。 

 

 

専門家への相談――よりよいきこえへの第一歩

きこえについて気になることがあれば、まずは現在の「きこえ」の状態を知ることから始めてみましょう。いまきこえの不安を感じている方は、耳鼻咽喉科や聴覚ケアの専門家に相談いただくことをおすすめします。耳鼻科での聴力検査によってきこえの状態を確認し、その結果に応じて、ご自身に合ったきこえの改善方法を見つけることができます。

 

また、現在補聴器を使用していて新しい製品への買い替えを検討されている方は、最新のAI補聴器によるきこえの進化をぜひ体験してみてください。

 

「きこえは少し気になるけれど、今すぐには・・・」という方は、まずはオンラインで約5分でできるきこえのチェックをお試しください。結果を見て気になる点があれば、改めて耳鼻科での聴力検査を受けていただくことをおすすめします。

 

また、ご自身やご家族の補聴器の購入を検討されている方は、郵便番号を入力いただくだけで、お近くの補聴器販売店のリストを確認いただけます。補聴器でより良い「きこえ」を得るには、補聴器専門家との二人三脚が欠かせません。まずは、相談しやすいお店を見つけるところから始めてみてください。 

 

鼻咽喉科で、現きこえの状態を確認しましょう

ご自身のきこえについて相談できるかかりつけ医をお持ちでない場合は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が掲載している全国の補聴器相談医リストもご活用ください。

 

本ブログ記事はアメリカ本社において執筆されたものを、日本市場向けに加筆修正したものです。本文中のリンク先は、一部英語サイトを含みます。