家族の誰かが聞こえに悩んでいると気づいたら、駆け寄って助けてあげたい気持ちで一杯になりますよね。でも、どのようにしたら、家族の良き理解者として、押しつけがましくなく話すことができるのでしょうか?
家族の気持ちを尊重しつつ、聴力測定を勧めるにはどのようにしたらよいか、いくつかのポイントをお伝えしたいと思います。
もし、貴方が、家族またはお友達に難聴の兆候を感じたら、彼らにとって一番良いことは、聴覚の専門家である耳鼻科医に診て貰うことであり、専門家による聴力測定を勧めることです。難聴は、普段の会話の中であまり話題に上らないデリケートなものです。しかし、失った聞こえは補うことができます。大切な人たちの聞こえを守る為にも、以下のポイントを参考にご家族と話してみましょう。
難聴を問わず、全ての人に、年に一度、耳鼻科医による聴力測定を受けることをお勧めします。誰もが、定期的に聴力を測定し、年々起こりうる聞こえの変化や問題点を知ることが必要です。また、先生は、個人の聞こえに対して、具体的に何が必要で、何が最適であるかをよくご存じです。年に一度の健康診断の際に、受ける項目の一つとして、聴力測定を検討してみましょう。
ご家族が聞こえに悩んでいる場合、聞こえのことを話題にする時期を待てば待つほど、状況は悪い方に向かうかもしれません。難聴は放置しておくと悪化してしまう可能性があり、本人だけの問題ではなく、家族、友人、同僚との関係にも影響が出てしまいます。残念ながら、聴力とは、一度失うと、元の状態まで回復することはできないのです。
難聴を放置しておくと、アルツハイマー病、認知症、うつ病のような健康不安にも繋がります。貴方の大切な人たちにとって、毎日の生活が有意義になるように、以下のポイントを参考に聴力測定を提案してみましょう。
-
1. 日常生活で難聴がどう影響しているか伝える
- 難聴は日々の活動にストレスを与え、本人だけでなく周りの人たちにも影響を与えます。難聴が及ぼす影響に関して、もっと情報を知りたい方は、きこえと健康のガイドブックをご覧ください。
-
2. 難聴は誰にでも起こること。対処可能なことを伝える
- ベビーブーム世代の6人に1人は難聴に悩んでいます。しかし、最近の補聴器技術は非常に進歩しているので、日々の生活において “難聴を我慢する”必要はありません。
-
3. 難聴対処には色々な方法があり、ライフスタイルにあった方法を見つけることができることを伝える
- 補聴器にも色々なタイプやスタイルがあり、お好みに合わせてカスタマイズすることも可能です。耳の中にすっぽり納まり、周りの人が全く気付かないくらいに目立たない補聴器や、スマートフォンをワイヤレスで使える補聴器もあります。本当にたくさんの選択肢があることを、貴方も一緒に知る良い機会です。
-
4. 一人で悩まず、
-
いつでも助けてくれる誰かがそばにいることを伝える
- オンラインの簡易測定を受けることもできますがあくまで簡易なものです。
- 聴力測定を受ける時に同行すること、または、一緒に検査を受けることを提案しても良いでしょう。また、自分以外の家族や友人を巻き込むことで、協力体制が整っていることを分かって貰えます。
-
5. 聴力測定後の進捗状況をフォローアップ
- 聴力測定を受けたことで何が変わった、前向きになったか、気に掛ける必要があります。また、次の段階に進むことを家族と一緒に考え、苦労しているのであれば、補聴器相談医の先生にアドバイスを聞くことも良いでしょう。何かしら進歩があることを貴方が期待していると分かると、家族も次の段階に進む意欲が芽生えるようです。
「きこえ」のガイドブックのダウンロード先はこちら
ご家族の方と一緒にご覧下さい。