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トピック

「聞くこと」と「理解すること」

難聴者の方が直面する課題の一つに「言葉の理解」があります。そう、「理解すること」です。

 

例えば、難聴者にとっては言葉が聞こえていたとしても、””と””、”しか(歯科)”と”いか(医科)”というような区別が難しいからです。

 

Hearing vs Understanding

 

母音、子音、語尾や特定の周波数に対応する音など、難聴者に理解しにくい特定の周波数だけに作用する音があります。会話を聴き取る際に、脳がいきなりそれらの音を正確に変換処理する能力を失ってしまっていることが難聴の状態といえます。例えば、500Hzから4000Hzの周波数帯域に難聴がある場合、500~4000Hzの約70%を著しく聞き逃していることになります。

その結果、この帯域に集中している音声であるd, b, i n, o, l, a, r, p, h, g, ch, sh, t, f, th, s とhの聞き取りが難しく感じていることになります。

 

日本語は母音中心の言語ですので、「あ」、「い」、「お」が聞き取り難いと、会話の理解がとんでもなく難しくなることが想像できると思います。

 

難聴は単なる聴覚の損失ではありません。

 

脳が特定の音の変換の仕方を忘れている期間が長くなればなるほどに、神経と聴覚経路の関係に著しいインパクトを与えます。

2012年に、アーサー・ウィングフィールドとジョナサン・ピーレの研究により、難聴の高齢者において、内耳にある蝸牛の基底膜に位置する有毛細胞の欠如が音声認知にインパクトを与えているとが分かりました。蝸牛では、12000~15000個の外有毛細胞が音を増幅する為に動いており、3000個の内有毛細胞が音波の機械的な振動を神経信号に変換します。そして、その神経信号が内耳神経(第8脳神経)を通じて脳に届き、特定の音声成分を認識します。難聴を発症し、有毛細胞が損傷により減少すると、特に騒音下において会話の理解が難しくなります。

 

きこえの仕組み詳細はこちら

 

難聴と有毛細胞の減少が、耳と脳を繋ぐ情報の伝達通路に影響を与えることが究明されています。それに加え、難聴が認知機能の低下、語音聴取の低下、聴取疲労の原因であることも、この研究結果により明らかになっています。

上記のウィングフィールドとピーレは、“難聴が原因で低下した語音認知を向上させ、日々の生活の中で時折発生する、展開が早く情報量の多い複雑な会話を理解するためには、脳内の利用可能な認知領域が引き出されている”ことも明らかにしました。例えば、利用可能な認知領域とは、記憶の中で聞いたことが脳内で記号化されていたりして、なんとなく覚えているということです。ここで強調したいのは、認知力が欠如しているのではなく、認知機能が低下しているだけなのです。会話を聞いて、その会話音を上手く識別するには脳内でかなりの労力が必要です。この「努力を要するきこえ」は、ストレス反応の増加、感情の変化、行動遂行の低下に左右されます。軽度から中等度難聴であっても、年と共に認知機能の低下が出現しても不思議ではありません。感覚器と認知機能は、聴覚システムが脳への情報ルートであることと深く関係しています。これが脳が”聞く“ということなのです。

 

より良い会話の理解には、補聴を援助する補聴器と聴覚リハビリの両方が有効です。補聴器は幅広い周波数帯域で聴力を向上させるお手伝いができます。しかし、補聴器だけでは会話の理解は向上できません。脳が補聴器によって聴き取り易くなった周波数を音声として読み取る方法を再び学習する必要があります。聴覚リハビリは語音聴取だけでなく、会話理解の向上にも繋がっています。

あなたのライフスタイルの中で補聴器に何ができるのか、理解を深めてみてください。

 

スターキーでは会話の理解を補助する為に作られた独自開発の「スピーチシフト(旧名:スペクトルiQ」を搭載した器種等があります。「音を処理することが難しくなってしまった脳」にもスターキーは最大限、会話の理解を助ける為の機能をご用意しています。一度失ってしまった聴力を取り戻す事は難しいのですが、補聴器を使って認知機能を向上させるトレーニングをスターキーと始めてみませんか?

 

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