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トピック

ヒアラブルって何?

AI家電」という言葉を耳にしたことはありますか?そもそもAIとはArtificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)の略で人工知能とも呼ばれます。AIは、さらに快適で暮らしやすい社会に向け、非常に注目されています。このAIを応用して、つくられているのがAI家電です。AI家電といっても実に様々なものがありますが、みなさんは音を活用した「ヒアラブル」というデバイスをご存知ですか?補聴器との関係もあるヒアラブルについて、我々は注目しないわけにはいきません。

 ハイテク技術のヒアラブル・ウェアラブルデバイスを身につけた女性

 

 ヒアラブル=耳に付けるコンピュータ

 ➢ ヒアラブルって何?

ヒアラブルは、耳に付けるタイプのコンピューター(デバイス)のことを言います。耳に入れることのできる小さなイヤホン型コンピューターというとわかりやすいでしょうか。ヒアラブルは、聞くことができるという英単語、hearableが語源と言われ、ウェアラブル(ウェアラブル・コンピューター)のひとつです。ところが、ウェアラブルの中でもヒアラブルが突出して注目されるには訳があります。

 

 ➢ ウェアラブルとの違い ノールックAI家電

ウェアラブルは頭や腕など身体に身に着けて使用することが想定された端末の総称です。腕時計型や、眼鏡型の他、着衣型のものもあります。ヒアラブルは、既存のウェアラブルと異なり、見るという操作を必要としない「ノールックAI家電」です。声の指示だけで、AIが判断し必要な反応を返してくれます。たとえば、Apple社のiPhoneやiPadに搭載されているSiriはご存知の方も多いでしょう。Siriは話しかけると返事をしてくれたり、必要な情報を提示してくれたりします。ヒアラブルは音声技術やAI技術を駆使したノールックAI家電として大きな期待が寄せられています。

 

ウェアラブルデバイス

ヒアラブルはヘルスケアの部分での活用も可能です。耳は脳に近く、体温や脈などの生体信号を測定しやすい場所です。ヒアラブル端末は、体温、脈、睡眠時間などの測定や、体重計や運動量計といった好みの測定機器と連動し、スポーツやヘルスケアでの応用が期待できます。また、音声分析機能と感情分析を組み合わせることで、メンタル面の把握を行うという点も考えられます。

 

 補聴器との関わり

現在の補聴器はデジタルの耳あな挿入型が普及しています。利用者の聴力に合わせて音を圧縮・増幅でき、音源に応じた指向性マイクも備えています。補聴器には、不快に感じる雑音を軽減するノイズキャンセリング機能や、補聴器のマイクから出力した音を再び拾ってしまう”ハウリング”を抑制する機能(ハウリング・キャンセリング)も搭載しています。こういった補聴器の技術は、これからのヒアラブルデバイスに応用できるものばかりです。


 ヒアラブルが切り開くユニバーサルなコミュニケーション

残念ながら、現段階では補聴器は医療機器ということもあり高額(補聴器の価格について)です。補聴器を購入するのは難聴がある人ということが前提となっているからです。しかし、先述したように、補聴器の機能はヒアラブルへの応用に大きな可能性を秘めています。すべての人が便利に使うことを前提として、ヒアラブルをユニバーサルに開発していくことで、個人の目的に沿った良質なものが安価に手に入るようになるかもしれません。


 アシスタント機能が普及の鍵?

2016年に(株)矢野経済研究所がリリースした調査によると、国内外ともに既存のウェアラブルの需要は徐々に増加を見込まれていました。しかし、今年(2017年)に発表された米国の市場調査では、期待したほどの普及が残念ながら進んでいないという結果でした。スポーツやヘルスケアの分野以外で消費者の利用イメージが沸きにくいことや、スマートフォンと住み分けがしきれていないこと、その割には高額であることなどが要因にあるようです。今後のヒアラブルの普及では、様々なアシスタント機能を、どのように実生活に展開していくのかがカギになりそうです。


 今後の市場規模に期待

ヒアラブルの市場については、未知数なところが大きいようです。先ずは、他のデバイスと同様にヘルスケア分野での展開は期待したいところです。

 

現在の少子高齢化社会では、人手不足を補い、家族の身体的、心理的な負担を軽減することが大切です。たとえば、入院中の患者一人ひとりがデバイスを装着することで、日々の体調管理も中央に集約し、一元管理がしやすくなります。このことにより、患者の負担だけでなく、医療従事者の負担も軽減するかもしれません。在宅医療でも、医療機関や家族が離れた場所から情報を把握することができ、遠隔医療システムの推進も期待できるのではないでしょうか。

 

また、道路ナビ、マニュアル指示やスケジュール指示といった秘書的な役割や、通話や検索など通常スマートフォンを操作して行っていることが、おおむね可能になりそうです。さらに、音声の同時通訳機能についても期待が寄せられます。多言語展開が可能であれば、ビジネス上でも余暇活動上でも有益であることは間違いないでしょう。また、聴覚や視覚に障害のある方には、補聴器や音声ガイドとしての活用が期待でき、必要な情報を補うだけでなく様々な情報を応用させることで、生活の質を高まることでしょう。


 現在発表されているヒアラブルデバイス

数年前から、すでにいくつかのヒアラブルデバイスが公表されています。それぞれの簡単な特徴を確認してみましょう。

 

 ➢THE DASH(ドイツ BRAGI )

THE DASHはフィット感を追求したデザインです。操作も本体タッチのみで簡単に行えます。骨伝導マイクを備え、ハンズフリーで快適な通話が可能です。音楽プレーヤーや活動量センサーを備え、防水であるため水中でも使えます。40言語に対応したリアルタイム通訳機能も搭載されています!なんと、スターキーも全面的にバックアップしており、先日「THE DASH Pro」 としてアメリカ、カナダでTailored by Starkey Hearing Technologiesと銘打って発売を実現しました。耳あな型補聴器を事実上、初めて世に送り出したメーカーの一つであるスターキーが、オーダーメイドでお届けします。ヒアラブル分野でも業界を今後席巻していくスターキーにぜひご期待ください。

 


 ➢ IQbuds(オーストラリア Nuheara)

IQbudsはスタイリッシュなデザインで、本体タッチで操作が可能です。ノイズキャンセリング機能を使い、スマートフォンのアプリで自分の好みの聴力モードを設定できます。不快な雑音を抑え、会話を聞き取りやすくすることができるのです。現在、アシスタント機能の搭載がないのが残念です。


 ➢ Aplay(日本 Nain)

Aplayは専用のアプリをインストールすることで、Andoroidが好きなアプリのテキストを読み上げることができます。SNSやニュース、天気予報、カレンダーなどに限らず、自分に合ったカスタマイズができるデバイスでしょう。また、メッセージの返信は音声で行うことができます。


 ➢ Xperia Ear(日本 ソニーモバイルコミュニケーション)

Xperia Earは、搭載されたアシスタント機能と会話することによって、電話、メッセージの送信、LINEやツイッターなどのSNSアプリの使用、天気予報を聞くなどが、ハンズフリーで行えます。また、うなずきや首振りといった簡単なジェスチャーを感知しての入力が可能となっています。


 ➢ Earin(スウェーデン Earin)

Earinは、iFデザイン賞を受賞したこともある製品です。ワイヤレスイヤホンとして超軽量、超小型をうたい、音へのこだわりが表れた製品です。しかし、本体だけでの操作はできず、スマートフォンが必要です。ヒアラブルとしては、今後の展開が期待されます。

 

 

□まとめ

ヒアラブルは、声やモーションセンサーで操作ができる、非常にコンパクトなデバイスです。音声情報は、人間の生活やコミュニケーションで非常に便利なツールであり、これまでのウェアラブル・デバイスよりも更に市場が広がっていくことが期待されています。次々と新しい製品や使い方が生まれるであろう、その変化には注目していきたいものです。

 

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