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トピック

【まとめ】さまざまな難聴の種類

◇ 耳が聞こえなくなるってどんな感じ?

難聴によって耳が聞こえない状態は、テレビのボリュームを下げるように単純に音が小さくなる状態ではありません。大きな音ですら気が付かない人もいれば、静かな環境では生活に支障がないという人もいます。全ての音が聞こえにくくなる人もいれば、高い音だけ聴こえないというように部分的に聞こえなくなる人もいます。水の中で音を聞いているような感じと表現する人もいれば、音が響くという人もいます。

 

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難聴はコミュニケーションにも影響を与えます。日常にある全ての音には、高い音や低い音が複雑に組み合わさってできています。話しことばも例外ではありません。たとえば日本語の「さしすせそ」の音は、高い音の要素が多く含まれていますから、高い音が聞こえない人にとっては非常に聞き取りにくく、別のことばに聞き間違えることもあります。

 

難聴は、コミュニケーションや生活そのものに影響を与えかねないのです。

 


◇ 難聴は治る?

難聴は、その原因によって外科的な手術や投薬で治療ができるものもありますが、根本的な治療方法がないものもあります。また、症状に気づいてから治療を開始するまでの時間が短いほど回復が良い疾患もあります。


◇ 難聴の原因

難聴の原因は、様々なものがあります。たとえば、生まれつき聴こえに関わる器官の奇形があったり、機能が失われたりしている場合もあります。また、ウイルス感染や何らかの疾患で難聴になることもあれば、騒音などによって聴覚器官が傷ついて難聴となることもあります。


◇ さまざまな難聴の種類

難聴は、その原因部位によって、あるいは特徴的な要因によって分類されています。以下は代表的な難聴です。


 ¢ 伝音性難聴

伝音性難聴は、聴覚に関わる器官や機能のうち、いわゆる耳(外耳)から鼓膜周辺まで(中耳)のどこかが障害された場合に起こります。外耳から中耳では、音は空気の振動として伝わり、鼓膜付近の仕組みによって、その振動が増幅されます。伝音性難聴は、音の振動がうまく伝わらなかったり、増幅が難しくなったりして起こります。


 ¢ 感音性難聴

感音性難聴は中耳よりも更に奥にある「内耳」と呼ばれる部分と、そこから脳に繋がる聴神経および脳といった中枢神経に何らかの障害が起こることで起こります。内耳には、蝸牛とよばれるカタツムリの殻のような器官があり、音の振動を感じる「有毛細胞」が順番に並んでいます。この細胞が、音を電気信号に変えて、神経を通って脳に伝え、脳が音を分析しています。感音性難聴は、入ってきた音の情報が脳にうまく伝わらない状態です。特に有毛細胞は年齢と共に減少していくため、高齢になると多かれ少なかれ、モスキート音などと呼ばれる音に代表されるような高い音が聞こえづらくなってきます。


 ¢ 混合性難聴

混合性難聴は伝音性難聴と感音性難聴の両方が混在して起こっている状態です。

 

ここまでが大きな分類になります。その中でも特徴的な難聴を以下に取り上げます。

 

 ¢ 突発性難聴

突発性難聴は、何らかの要因で急に片耳が聞こえにくくなる状態です。こもったような詰まり感や、耳鳴り、めまいなども併発することがあります。子どもから高齢者まで幅広い年代で起こり得ます。原因は明確にはわかっていませんが、ストレスや疲労、ウイルス感染などの関与が疑われています。早期に治療を行うことで病前と同じように回復することもありますが、後遺症が残存してしまうこともあります。一般的には再発はないと言われていますが、別の難聴を発症することはあります。芸能人などにも多くの方が突発性難聴と診断されています。


 ¢ ヘッドフォン難聴

若い世代に増えている難聴で、次の騒音性難聴と同様に、音響外傷のひとつです。ヘッドフォンを通して大きな音に晒されることで、聴覚器官に影響を与えてしまうことで起こります。音楽を聞いている時や聞いた後に、耳鳴りや耳奥の傷み、聞こえにくさが生じます。聴力の低下は高音の聞こえにくさから始まり、静かに低音へも広がっていくため注意が必要です。早期の治療が大切です。


 ¢ 騒音性難聴

ヘッドフォン難聴と同様に、音響外傷のひとつです。大きな音に晒され聴覚器官に影響を与えてしまうことで起こる難聴です。ライブハウスなどで突然の大きな音に晒されることで起こることもあれば、工事現場等で慢性的に騒音に晒されていることで起こることもあります。


 ¢ 低音障害型感音難聴

低音障害型感音難聴は、近年20~40代の女性に増えているようです。低い音が聞こえにくくなっている状態ですが、むしろ耳の詰まり感や耳鳴りなど他の症状が主症状で受診して診断されることがあるそうです。原因は明確にはわかっていませんが、ストレスの関与が疑われています。

 


◇ 難聴を併発する症状

難聴は様々な疾患や、様々な症状と共に現れることがあります。よく聞く疾患や症状を挙げてみましょう。


 ¢ メニエール病

発作時にぐるぐると目がまわるような強烈なめまいが長時間にわたって続きます。難聴や耳鳴りのほか吐き気や嘔吐なども続き、生活に支障を与える可能性もあります。30代から40代の女性に多くみられますが、明確な原因はわかっていません。ストレスや疲労、睡眠不足などの関与が疑われています。


 ¢ 耳鳴り

周囲に音がしていないのに、音が聞こえているように感じる状態をいいます。「キーン」という音がすると称する場合もあれば、心臓の拍動や呼吸音など、体内の音が聞こえると感じることもあります。


 ¢ めまい

めまいは大きく分けると3種類あります。ぐるぐると目が回るような回転性のめまい、身体がフワッとふらつくような動揺性のめまい、目の前が真っ暗になり意識を失いそうになるような、めまいです。めまいの原因は、耳の奥にある三半規管のほか、脳に関わる場合があります。


◇ 治療法とその効果

難聴は、その原因によって、治療が可能である場合と治療ができない場合があります。まず、外耳~中耳の障害では、外科的な手術が検討されることがあります。また、突発性難聴のような急な聴力の悪化では、早期に受診し治療を行い、必要に応じて生活環境を整えることで、病前の聴力相応まで回復することが期待されます。しかし、治療にも限界があり、特に有毛細胞や神経の障害は、症状の進行が進むほどに逆戻りが難しくなります。忙しさなどで受診を先延ばしにしているうちに機能がどんどん損なわれてしまうと、いくら治療を行っても十分な回復ができないこともあります。また高齢者の難聴は、加齢に伴う機能低下もあるため、改善が難しいこともあります。

残存した難聴は、その症状に応じた補聴器で可能な限り聴力を補います。また、聴覚を使わないコミュニケーションや生活のツール(手話や筆談、デジタル機器などの活用)を検討します


◇ 耳鼻科診察のポイント

特に、朝起きたら急に聞こえにくくなった、というような急性の聴力低下は、早急に耳鼻科を受診して治療を開始する必要があります。治療を早期に行うことで進行を抑え、機能を改善させることができる場合があるからです。受診を先延ばしにしたことで、回復が難しくなり後遺症化すれば、その後の生活にも支障をきたします。大きな病院は予約がとれず、受診が先延ばしになることもあります。かかりつけの地域の病院を見つけておくことも大切です。

 

補聴器が難聴の症状を全て緩和できるわけではありませんが、以上のような知識がある場合とない場合では、とりわけ突発性難聴などの早期に対処しなければならない疾患については、その対応が異なってくることは間違いありません。

補聴器業界に従事していると、「知識や情報がなかったために補聴器に頼らざるを得なくなった」という方に出会うことが多いのですが、その捉え方は生活の過ごし方でだいぶ個人差があることに気づきます。

総じて前向きに過ごすことができている方は、さまざまな情報をご自身で見つけて自分にあった良い補聴器、相性の合う販売店スタッフの方と出会えているように感じます。

難聴についても、補聴器についても多くの方にご自身で考えるきっかけを提供できれば幸いです。

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