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200万年前、原始人は私たちよりも耳が良かった?

「原始家族フリントストーン」は先史時代を舞台にしたアメリカのテレビアニメのキャラクターで、勿論フィクションです。しかし200万年以上前の原人の聴力が、ある周波数では私たちを上回っていたという、最近のサイエンス誌の記事をご存知でしょうか。

 

フレッドとウィルマ

研究者は、初期の人類の中域周波数の音に対する聴力は現代の私たちよりも優れていたと考えています。中域の音に対する鋭敏な聴力は、自然の中で狩りをする時にコミュニケーションを取り合うのに役立ったと考えられます。しかし、研究者たちはどのようにして200万年以上も前に暮らしていた人類の聴力を研究するのでしょうか。私も最初は分かりませんでした。

 

その答えは、化石化した骨格の構造が聴覚器官の解剖学的特性を残していて、これを基に研究者たちは初期人類の聴力をかなり正確に推定することができる、というものです。研究者たちは頭蓋骨と耳小骨の化石の研究に基づいてコンピュータで3次元モデルを再構成し、これを用いて聴力を推定したのです。

 

当時のコミュニケーションには現代と違う役割がありました

 

外耳と中耳の解剖学的構造の違いは化石から知ることができます。

外耳道が明らかに短くて幅広かったのです。

研究では「現代人よりもラッパ型だった」と表現しています。鼓膜は現代人よりも小さく、耳小骨のサイズも現代人とは違っていました。

 

中耳にある、米粒ほどの大きさの3つの耳小骨の連携に見られる相違点も、先史時代の人類の聴力が私たちとは違っていたことを示唆しています。内耳の蝸牛の長さも現代人より短かいものでした。研究者たちは、短い蝸牛は中域周波数の音を強調するためであったと考えています。

 

これらの構造的な違いは、私たちの祖先が1000Hzから3000Hzの中域周波数の音に対して鋭敏な聴力を持っていたことを示唆しています。研究者たちは、太古の人類はこの中域周波数の音が現代の私たちよりも良く聞こえていたという学説を立てています。

 

初期の原人は現代の私たちが思い描くような言語によるコミュニケーションを取ってはいませんでしたが、コミュニケーションは生き延びるために極めて重要でした。

 

研究者たちは、初期の人類の発声のほとんどが母音で構成されており、野外における近距離での声によるコミュニケーションに重きが置かれていたと考えています。

 

コミュニケーションの変化によって私たちの聴覚システムも変わりました

長い間の進化によって、この中域強調がより高い周波数帯に移っていきました。

現代人の聴力は可聴帯域が広くなり、より高い音が良く聞こえるようになりました。

さらに現代人の聴力は、広い周波数帯域(1kHz~6kHz)へ向上しています。

 

広い周波数帯域(1kHz~6kHz)は、私たちが使う話し言葉に含まれる多くの音を聴きとるのに必要なものです。例えば英語には高い周波数の子音、すなわちS、H、Fの音が含まれます。また高周波数の聴力は、男性よりも高いピッチ(音の高さ)が含まれる女性や子供の声を理解するために重要です。

 

研究者たちは、初期の人類と現代人の解剖学的に見た聴力を比較することが、コミュニケーションと言語がどのように進化してきたかについてのより良い理解につながることを期待しています。

 

 

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トピック: 難聴と健康