Hear Better.Live Better.BLOG

スターキーから補聴器・難聴について生活に活かせる情報をお届けします。

Hear Better. Live Better.ブログを公開中!! 配信登録はこちらをクリック!

トピック

補聴器の便利な機能「テレコイル」をご存じですか?

(2025年7月23日更新)

 

テレコイルはTコイルとも呼ばれ、補聴器の機能を広げるために搭載されている小さな部品です。補聴器の内部に組み込まれた、銅線を巻いたコイル状の構造で、磁気信号を受診する役割を持っています。もともとは、固定電話の受話器から発せられる時期信号を補聴器で受け取るために開発され、その用途から「テレ(電話)コイル」と呼ばれるようになりました。

 

日本ではテレコイルは「磁気誘導コイル」とも呼ばれる場合もあります。現在では、電話だけでなく、テレコイルを搭載した補聴器と公共施設などに設置された「ヒアリングループ(磁気誘導ループ)」とが連携することで、周囲の雑音を抑え、より聞き取りやすい音声を補聴器に届ける補助的な機能として活用されています。

 

 

テレコイルってなに?_1

テレコイルの仕組みは?

通常、補聴器には「マイク(音の入り口)」、「アンプ(増幅器)」、「レシーバー(スピーカー、音の出口)」があります。マイクが周囲の音を拾い、アンプはマイクからの音を増幅し、レシーバーが耳に音を届けます。

 

テレコイル(Tコイル、磁気誘導コイルとも)は、基本的な機能に加えて、スターキーをはじめ多くの補聴器に搭載されているオプション機能の一つです。

テレコイルがあると、マイクの代わりに磁気信号を「きく」ことができます。補聴器の内部のコイルは磁場に反応する仕組みになっており。電話機などが発する磁気信号を受信することが可能です。ただし、すべての電話機が十分な磁場を持っているわけではないため、一部では補聴器と連携するためコイルを内蔵した専用の電話機といったものもあります。

 

テレコイルによる電話との接続の仕組み

 

電話機に専用のコイルが内蔵されている場合、そのコイルが磁気信号を発信し、補聴器内のテレコイルはその信号を受信します。これにより、電話機と補聴器が磁気信号を通じてつながる仕組みです。

この接続が成立すると、補聴器は電話機からの音声信号をテレコイル経由で受け取り、アンプで音を増幅し、レシーバーを通じて耳に届けます。
このとき、補聴器のマイクは使われないため、周囲の雑音を拾わずに、電話の音声だけをよりクリアに聞くことができます。

 

テレコイルってなに?_2

 

テレコイルの使い方

最近の補聴器で、補聴器のテレコイルを使うには2通りの方法があります。

1つは、補聴器本体のボタンなどを操作するか、リモコンで特定のメモリ(プログラム)を選択する方法です。これは「マニュアルテレコイル」と呼ばれます。

もう1つは、自動的にテレコイルが作動する「オートコイル」と呼ばれる方法です。コイルに対応する電話機や施設に近づくと、補聴器内のコイルが、自動で切り替わる仕組みです。電話機から施設から遠ざかると、元のモードへと戻ります。

 

このようなテレコイル機能は、補聴器を装用する際に、補聴器専門スタッフがあらかじめ設定・有効化します。ユーザーの聞こえのニーズに合わせて、テレコイル専用のメモリ(プログラム)が作成され、必要に応じて調整がなされます。

 

全ての電話機にコイルがあるわけではありません

すべての電話機にコイルがあるわけではありません。補聴器のテレコイルを有効にするよう補聴器専門スタッフに依頼する前に、お使いの電話機が対応しているかどうかを確認することが重要です。

 

携帯電話:

携帯電話の場合、「T-レーティング」「補聴器両立性(HAC)規格」への対応が表示されていれば、その器種はテレコイルを作動させるコイルが内蔵されています。T-レーティングとは、コイルの強さを示す指標でで、数値が高いほど、補聴器への信号が強く、より安定した接続が期待できます。

 

一部メーカーや器種では、HAC規格へ非対応の場合やテレコイル非搭載の場合もあります。携帯電話のコイルが有効になっていることを確認するには、携帯電話販売店もしくは携帯電話メーカーにお問い合わせください。

 

固定電話では:

固定電話や受話器の場合には、受話器が補聴器のテレコイルと互換性がある表示(冒頭写真や「T」が書かれているマーク)が付いていることがあります。このマークは、補聴器のテレコイル対応を示すマークが付いていることがあります。このマークは、補聴器のテレコイル使用時に雑音や干渉が少ないことを示しています。ぜひ購入前やご使用前に、対応マークの有無を確認いただくと安心です。

 

 

電話機以外でのテレコイルの使い方

テレコイルはもともと電話機との接続のために開発された機能ですが、現在では、さまざまな技術と連携し活用されています。その中でも特に一般的なのが「ループシステム(ヒアリングループ)」です。この「T」のマークが表示されている場合、その場所には、ループシステムが設置されていることを意味します。

 

ループシステムでは、施設内に設置されたループ(磁気コイル)から発信される音声信号を、補聴器のテレコイルが直接受信することができます。会場の音響設備から流れる音声が、補聴器を通じて直接耳に届くため、周囲の雑音を抑えながら、話し手の声などをより明瞭に聞くことができます。

 

このような設備は、役所などの公共施設、劇場や映画館、会議室や教会施設などで導入が進められており、補聴器ユーザーの聞こえをサポートする大切な仕組みです。

 

ループシステムを使う予定がある場合:

テレコイル搭載の補聴器を、ループシステムで使用予定をお持ちの方は、あらかじめ補聴器販売店、クリニックの補聴器専門家にご相談ください。電話の場合とは異なる設定が必要になることがあり、手動でプログラムを切り替えられるようしておく必要があります。

 

 

 

引用: 

 

スターキー製品の最新カタログはこちら↓

ダウンロード

トピック: 補聴器, はじめての補聴器