どんな買い物でも、金額が高額であればあるほど、購入したものがその性能がいつも保たれているかを確認するためのメンテナンスは必要とされます。補聴器も例外ではありません。
特別なメンテナンスは、補聴器メーカーや補聴器販売店によってしかできませんが、補聴器をフル活用するために定期的にご自身でできる多くのメンテナンス方法があります。
本日は補聴器の使用で問題になることや主となる原因について、
そして、そのお手入れに関して役立つヒントを掲載します!
☆ユーザー自身が気をつけること:
耳あか対策
耳あかは、補聴器の天敵とされています。補聴器業界の修理原因の最も一般的なものなのです。
耳あかは健康であれば、外耳道で発生するのは当然ですが、補聴器の多くの問題を生じさせてしまうのも事実です。
外耳道には、耳あかの固いもの、柔らかいものがあるだけでなく、補聴器の内部まで侵入することができる気体状のものを含みます。それは重要な機械部品に落ちこんで侵入していく可能性があります。
例えば、スターキーでは修理依頼品の約60%は耳あか、または補聴器内部に侵入してしまう異物によって
引き起こされていると推計されています。
☆ユーザーが補聴器にできること:
- 毎朝、補聴器を掃除する
マイクやレシーバーなど、あなたの補聴器の重要な部品を詰まらせてしまう耳あかを防止するためには、毎朝補聴器を拭き取ることが重要です。水分が含まれているティッシュなどは使用すべきではありません。クリーニングクロスは、耳あかなどの破片をさらに押し込んでしまうことを避けるため、定期的に清潔にしておく必要があります。毎朝補聴器を拭くことが良いのは、耳あかが乾燥していて、除去するのが容易になるからでもあります。
マイク部分を拭う時は要注意
補聴器の他の部分からマイク部分を拭うのは注意して行いましょう。他の部分についていた耳あかがマイクに落ちこむ危険性があるからです。
- イヤチューブ内を綺麗にする
- あなたが耳かけ型の補聴器を使用していてスリムチューブやチューブ付ジョイント等を使用している場合は、時々チューブを本体から外し、連結部に堆積したゴミがないか確認して掃除をしましょう。補聴器本体への侵入にはならなくても出力される音へ影響することがあります。
水分への対応
水分、湿気、結露や汗への対応は、補聴器に重大な損傷を引き起こす可能性があります。現在、スターキー補聴器はサーフェスナノシールド™と呼ばれる、水分や耳あかの撥水コーティングが施されており、油分やゴミを撃退します。しかし、どんな技術でも100パーセント安全ではありません。補聴器を誤って水の中へ入れてしまった場合にはすぐに補聴器販売店に連絡してください。お風呂やプールでのアクシデントなどは別として、一番の予防策は、通常時に装置内に水分を蓄積させておかないことです。
- 水のアクシデントを避ける
プールで泳ぐ時など、水と身体全体が触れる機会があると思った段階で補聴器を近づけないようにしましょう。ロッカーなど結露や高温過熱を避けるために日陰に補聴器を置きましょう。
- ルーティーンを作る
偶発的な事故を避けるために、補聴器とのルーティーンを作ってみてください。
例えば、あなたが毎朝、まず最初にシャワーを浴びる人だとしたら、浴室やトイレに入る前に毎回、同じ場所(浴室内ではなく)で同じ補聴器ケースに補聴器を入れるようにするのです。日本の有名なラグビー選手や大リーグで活躍する日本人野球選手と同じように決まった動作の繰り返しが間違いやミスを減らしてくれます。
- チューブ内の結露を取り除く
- 気温が低くなると、耳の中からの温かい空気がイヤチューブ内に集まり、結露として溜まってしまうことがあります。もし水分がチューブ内に溜まってしまった場合は、イヤーフックからチューブを取り外した後、チューブの中に空気を入れて強制的に水分を取り除く必要があります。
就寝時には電池ドアを開けたままにする
就寝時は、補聴器内部へ空気が入るように補聴器の電池ドアを開けたままにしましょう。こうすると、電池寿命の維持にも一役買うことができます。理想的には、補聴器を湿気を取り除く乾燥器の中に保管することです。このような保管方法は、夜間安全に保管するということだけでなく、湿気を吸収する乾燥剤(シリカゲル等)の中に入れることで補聴器からの湿気を取り除く役割を果たします。
注意点:乾燥器の適正使用やメンテナンスは説明書に従ってください。ある程度使用した段階では乾燥剤や部品の交換が必要な場合があります。
物理的損傷を避ける
被害を防ぐ為に、補聴器を使用しない時には必ず、安全な方法で補聴器を保管しましょう。小さなお子様やペットの手の届かない場所に置きましょう。ペットは補聴器についた飼い主の臭いを嗅ぎつけ、補聴器で遊ぼうとすることが多いです。愛犬にかじられた補聴器をメーカーは何回も見てきています。
もし補聴器が損傷したら、損傷した補聴器の部品を全て集め、できるだけ早く専門家に連絡しましょう。
もし筐体(ケース)が損傷しているのであれば、補聴器の装用は止めましょう。割れた部分によって、耳やその周辺の皮膚を傷つける恐れがあるからです。
チューブが損傷している場合、例えば、破れていたり折れていたりすると、補聴器の音質に影響を与える危険性が高まるので、できるだけ早く対処することが肝心です。
これらのヒントで補聴器を最大限活用できるようにしていただければ幸いです。
そして、耳にも正しいお手入れの仕方があることを忘れないでくださいね。
詳しくは、耳の正しいお手入れについてをご覧ください。