補聴器装用者が、自分自身の難聴に気づいて補聴器を購入するまでの期間は、どのくらいだと思いますか?
ベター・ヒアリング・インスティテュート(米国の専門機関)が調査したところ、なんと、「平均して13年間」という結果が出ています。
いま、あなたが難聴や補聴器に関して積極的に知ろうとしているのであれば、13年が既に経過しようとしているのかもしれません。自分自身の健康問題に対処するとき、人は本能に逆らうような行動をとってしまう場合があります。例えば、不調を感じていながらも、「これくらいならまだ大丈夫」と自分に言い聞かせることがあります。
これが聴力ではなく、視力が悪化した場合だったらどうなのでしょう?眼鏡をかけることに何年もためらうのでしょうか?歯に痛みを感じたら、痛みが耐えられなくなるまで歯医者さんに診てもらうことを先延ばしにしますか?頭痛の場合ではどうでしょう。症状が重くなるまでそのままにしておきますか?それとも、酷くならないように鎮痛剤を飲みますか?
残念ながら現在、「聞こえにくさ(難聴)」に関しては、視力の悪化や歯痛、頭痛への対処とは異なるようです。それは多分、難聴の症状のほとんどが長い期間をかけて徐々に進行するものであり、その場しのぎのあらゆる方法で比較的切り抜ける、やり過ごすことができるからです。
しかし、多くの調査研究や専門家の論文で、難聴をそのままにしておくことは賢明ではないと指摘されています。難聴を治療しないままでいると、「重大な」健康問題に関係したり、社会からの孤立やうつ症状、転倒などの危険性が高くなります。
それに対して、難聴を治療すると、家族や友人との良好な関係を保つ、なくてはならない必要不可欠なQOL(生活の質)に良い影響を与え、日々の生活を送る自信が高まることが分かっています。
きこえに対して相談することを躊躇する必要はありません。
先ずは、補聴器専門医やお近くの補聴器販売店に、きこえに関するご相談をしましょう。