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トピック

【まとめ】めまいと難聴の関係

めまいは、自分も、地面も動いていないのに、動いているように感じることと一般に言われています。人間の身体は、視覚や聴覚、四肢の感覚など、色々な感覚から取り入れた情報を総合的に分析しています。自分の身体が、どの方向を向いているのか、傾いているのかいないのかといった平衡状態(バランス)を保っているのです。

 

 めまいをおこして星が頭の上をまわっている3D人形のイメージ

 

どうしてめまいが起こるのか?

それではどうしてめまいが起こるのでしょうか?そのメカニズムは前述の色々な感覚から取り入れた情報を総合的に分析しコントロールしている、小脳や脳といった中枢器官から始まります。さらに、耳の奥の内耳と呼ばれる部分にも、身体の平衡に関わる大切な器官があります。内耳にある三半規管や前庭は、身体の傾きや動きの情報を脳に伝えています。内耳は難聴にも関わる器官ですから、めまいは難聴と同時に起こることも多い症状です。


めまいの種類

めまいには、いくつかの種類があります。


 ➢ ふわふわするめまい

身体がふわふわと宙に浮いたように動いているように感じるめまいです。


 ➢ ぐるぐるするめまい

目がぐるぐると回ったように感じるようなめまいです。


 ➢ 耳鳴りを伴うめまい

耳鳴りとは実際には聞こえるはずのない状況で音が聞こえる症状ですが、めまいには耳鳴りが一緒に伴うことがあります。


 ➢ 立ちくらみ

立ちくらみとは、座っている状態から急に立った時などに、急に血圧が下がり、クラっとする症状です。その症状はめまいと良く似ていますが、原因が異なると言われています。


前兆は?

めまいは様々な疾患の前兆として、気をつけなければならない症状のひとつです。しかし、めまいそのものの前兆はあるのでしょうか?医学的に明確には示されていないようですが、頚椎(けいつい)の傷みや肩こりが関係しているという説がある他、耳鳴りや耳の詰まり感がひどくなると感じる人もいるようです。

 

 

めまいの原因は?

めまいは、耳の病気や脳の病気のほか、骨の異常など、様々な部位が原因となると考えられています。


耳の病気が原因のめまい

めまいには、耳の病気が原因のものもあります。難聴や耳鳴りなど他の症状も併せて起こることが多く、中には治療が遅れれば難聴が残存してしまう疾患もあります。早期に耳鼻科を受診することが望ましいでしょう。


 ➢ メニエール病

耳の奥の内耳と呼ばれる器官に原因があるようです。内耳はリンパ液という液体で満たされています。メニエール病では、リンパ液が増えすぎて内耳がむくんだような状態になり、ぐるぐると回転するような激しいめまいや吐き気、難聴などが起こります。


 ➢ 前庭(ぜんてい)神経炎

内耳は身体のバランスを保つことに関係する三半規管や前庭(耳石器)があります。ここでキャッチされた情報は前庭神経を通じて脳に伝えられますが、何らかの原因で前庭神経に炎症が起こり、情報がうまく伝わらないとめまいが起こると言われています。原因として、ウイルス感染のほか、血液の循環障害が疑われています。

 

 ➢ 突発性難聴

突発性難聴は、前触れなく急に片耳の聴力の低下が起こり、めまいや耳鳴りが併発することの多い疾患です。年代問わず発症し、早期発見と治療の開始が大切とされる疾患です。(突発性難聴についてはこちらの記事もご参照ください)


 ➢ 聴神経腫瘍

内耳には、音を電気信号に変える蝸牛(かぎゅう)というカタツムリの殻のような器官があります。蝸牛は聴神経を介して脳に情報を送ります。この聴神経に腫瘍ができる疾患が聴神経腫瘍です。難聴の他、耳鳴りやめまいなどが症状として現れます。


 ➢ 外リンパ瘻

鼓膜の奥には、音の空気の振動を増幅する中耳があり、その奥に内耳があります。外リンパ瘻は、何らかの原因で中耳と内耳を繋いでいる部分に穴が開いてしまう疾患です。内耳はリンパ液という液体で満たされていて、平衡を保つための役割を担っていますが、このバランスが崩れると、めまいの他に難聴や耳鳴りなどの症状を起こしてしまうことがあります。外リンパ瘻は、鼻かみやくしゃみ、飛行機やダイビングなどでの高圧力がかかることなど、日常の中のちょっとしたことが原因になり得ると言われています。


 ➢ 中耳炎

急性中耳炎は、ウイルスや細菌感染などによって中耳に炎症が起こることで起こります。きちんと治療をせず慢性的に中耳炎の状態が続くと、中耳から更に奥の内耳にまで炎症が広がることがあります。内耳に炎症が起こると、めまいや難聴などの症状が起こり得ます。

 

 ➢ 良性発作性頭位めまい症

起き上がったり、急に上や下を向いたりと頭の位置を変えたときに起こるめまいです。内耳の三半規管や、前庭でトラブルが起きることが原因です。前庭には耳石(じせき)と呼ばれる小さな結晶があり、身体の動きを伝える役割をしています。この耳石が、何かのきっかけで三半規管という別の場所に入り込んで起こるのが、良性発作性頭位めまい症(BPPV)です。

 


脳から生じるめまい

めまいには脳に関わる重大な病気が隠れていることがあると言われています。


 ➢ 脳卒中

脳卒中は、医学的には脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳の血管の病気を言います。手足や顔面のしびれや麻痺が特徴的な症状ですが、目立った症状がなくめまいが起こることがあります。


 ➢ 脳腫瘍

脳腫瘍は、頭蓋骨の内側にできる腫瘍のことです。脳や髄膜、血管などさまざまな組織から、細胞が異常に増殖して発生します。また、他の部位のガンが転移した脳腫瘍もあるようです。


 ➢ てんかん

大脳の中には、たくさんの神経細胞があり、電気信号を流しながらお互いに情報のやりとりをしています。この電気信号のバランスが乱れてしまうのがてんかんと言われています。てんかんが起こると、意識を失ったり、四肢の痙攣や麻痺が起こったりという症状だけではなく、その人によって、さまざまな症状が起こり得ます。めまいや吐き気がてんかんの症状となっているという人もいるようです。

 

 

 ➢ 脳血流の循環障害

脳への血流が不足して、脳に十分な血液が運ばれないときにも、めまいが起こります。たとえば、首から脳へつながる太い血管を椎骨脳底動脈(ついこつのうていどうみゃく)といいますが、この動脈の血液循環不全を椎骨脳底動脈循環不全といいます。また、高血圧や低血圧といった血圧変動や、低血糖、貧血なども、脳への血流が不安定になることで、めまいが起こることがあります。

 

その他

耳や脳の病気以外でも、めまいの要因としては幅広い視点で考えられています。

 

 ➢ 頭蓋骨歪み

整体院やカイロプラクティックなどでは、頭蓋骨の小さな歪みが、脳や様々な機能に影響を与え、めまいを生じさせていると考えることがあります。


 ➢ 顎関節症

顎関節症は顎(あご)の関節とその周囲の筋肉の症状です。めまいとの関連性は明らかではありませんが、めまいを訴える人がいるようです。


 ➢ 自律神経失調症

自律神経は、全身のバランスをコントロールしています。特定の原因が見つからないのに、さまざまな不調が起こることがあり、めまいもそのひとつとして挙げられることが多いようです。睡眠や食事などの生活習慣のほか、疲労やストレス、ホルモンバランスなど、さまざまな要因が複雑に絡み合っていると考えられています。


予防方法

めまいの原因となる疾患は多様であり、予防することが難しいものも多いでしょう。しかし、メニエール病など、疲れや寝不足がめまいを誘発すると考えられる疾患もあります。そのため、生活習慣を整え、疲れやストレスを溜めないような生活を心掛けることが大切です。


治療について

めまいの治療は、その原因疾患に合わせた治療を行います。外科的な手術が適応となることもありますが、投薬をしたり、仕事環境や生活環境を整えるといった環境調整を行ったりすることもあるようです。

 

まとめ

めまいは、耳や脳の病気など様々な要因が考えられます。身体のバランスを保つ機能は、聴覚に関係の深い内耳にあります。そのため、めまいの原因疾患によっては難聴や耳鳴りが同時に起こることも多いようです。また、めまいがきっかけとなり、思いもよらなかった重大な病気が判明することもあります。特に急激なめまいは放置せず、速やかに受診するようにしましょう。

 

 

トピック: 難聴と健康