飛沫防止のために、多くの国でマスク着用が奨励され、マスクとの生活は日常になりました。しかし、マスクがさえぎるのは飛沫だけでなく、大事な会話の音声までも遮ってしまいます。
マスクを着用するとなぜ声が聞こえにくくなるのでしょう。
また、その聞こえにくさに私たちはどのように対処すればいいのでしょうか。
マスク越しでもスムーズにコミュニケーションを取るための方法を改めてまとめました。
感染症予防策が生んだ、思わぬ聞こえのトラブル
新型コロナウイルスの感染拡大にともない、日常に欠かせないものとなったマスク。コンビニやスーパーなどのレジに設置された飛沫防止シートも、すっかり当たり前の光景となりました。
これらは感染症予防には欠かせないものですが、一方で思わぬ聞こえのトラブルの原因にもなっています。
有料のレジ袋がほしいと言ったのに店員さんに伝わらなかった。その逆に、ポイントカードの提示をお願いしたのにお客さんに反応してもらえなかった。そんなトラブルが全国で続出しています。
マスクを着けると、なぜ声が聞こえにくくなるの?
それではなぜマスクを着用すると、会話が聞こえにくくなってしまうのでしょうか。
まず一つには「マスクの着用によって音声自体が変化すること」がわかっています。「マスクを着けると声がこもる」と言い換えてもいいでしょう。
周波数が高い音には会話の理解に重要な子音が多く含まれていますが、
マスクによって相対音圧レベルが総じて下がっていることがわかります。
※スターキー本社調べ
そして、人々がソーシャルディスタンス(社会的な距離)に配慮するようになったことで、「会話の際の物理的な距離が遠くなったこと」も挙げることができるでしょう。
「マスクによって口元が見えなくなること」(=読唇ができなくなったこと)も聞こえを妨げる要因となっています。特に難聴者の方は相手の口元や表情の動きから相手の発言を予測することに慣れているため、非常に大きな負担となってしまいます。
マスクの着用によって、声はどれくらい聞こえにくくなるの?
スターキーアメリカ本社では、ソーシャルディスタンスとマスクが聞こえにどの程度の影響を与えるのかを実験によって明らかにしました。(技術白書)
まず従来の会話(話者間の距離1m)と2mのソーシャルディスタンスを取った場合を比較すると、音圧レベルが約6dB減少することが明らかになりました。
さらにソーシャルディスタンスを取った上で、話し手がN95マスク(医療用マスク)を着用した場合、マスク無しの従来の会話(話者間の距離1m)と比較して、鼓膜上で記録された音圧レベルが最大で15dB減少することが判明。これは難聴者でなくても、明確に聞こえやすさが低下するレベルです。
また2,000Hz~7,000Hzの間の高めの音が減衰することから、この周波数の聞こえに問題を抱えている難聴者の場合、会話の聞き取りはさらに困難になります。ここに背景雑音が加わると、重要な音声情報はほとんど聞き取れなくなってしまうといってもいいでしょう。
「聞こえにくい」と感じたら、もしかして難聴かもしれません
マスクの着用によって著しく聞こえが低下するようでしたら、難聴の可能性を疑ってみてください。難聴というと高齢者のものという印象もあるかもしれませんが、実は難聴は働き盛りの40代から症状が現れることもあります。
「難聴かも」と思ったら、まずはご自身の聞こえの状態を把握することが重要です。難聴は「伝音難聴」、「感音難聴」、「混合性難聴」の3つのタイプに分けることができます。
「伝音難聴」は、感染症、病気、外傷、耳垢などによって、外耳または中耳の音の伝達が妨げられることで引き起こされます。この難聴の大きな特徴は、医学的な治療が可能な場合が多いことです。
一方、医学的な治療が困難なのが「感音難聴」です。内耳または脳への神経路における、音を分析し感じる部分の障害によって聞こえが低下するもので、加齢や薬物の副作用、長時間騒音に晒されることなどが発症の原因となります。
「混合性難聴」はその名の通り、「伝音難聴」と「感音難聴」が合わさったもの。両方の症状が現れることが特徴です。
難聴をそのままにしておくと認知症のリスクも高まります
ご自身が難聴だと気がついても、「そこまで特に困っていないから」と症状を放置されるかもしれませんが、実はそれは大きな危険性を孕んでいます。
難聴は認知症の危険因子でもあるからです。難聴がすぐさま認知症につながるわけではありませんが、聞こえが低下すると周囲とのコミュニケーションが疎かになりがちです。すると徐々に社会的にも孤立してしまい、精神的な健康度も低下してしまうのです。それによって、現在、認知症のリスクを高める因子であると指摘されているのです。
聞こえにくいと感じたら、まずはすぐに専門医に相談しましょう。そこで難聴自体を医学的に治療できないとわかったら、早いうちに補聴器を試してみることをおすすめします。それは長期的に考えると人生の幸福度を大きく高めることにもつながるはずです。
マスク越しでもクリアな音声を届けるリビオシリーズ!
ウィズコロナ時代の補聴器として現在おすすめなのは、マスクの邪魔にならない耳あな型です。なぜなら耳かけ型ではマスク着脱にひっかかり、わずらわしいことと最悪の場合、紛失する危険があるからです。事実、2020年の日本補聴器工業会(JHIMA)の補聴器国内出荷台数を見ても、耳あな型が大健闘していることがわかります。
なかでも世界初、唯一のスターキー充電式オーダーメイド耳あな型補聴器のリビオシリーズは、使い勝手が抜群です。マスク着脱のわずらわしさは無くなることはもちろん、電池交換の手間もかかりません。小さな電池を交換する必要はなく、電池を定期的に購入する必要もありません。圧倒的に手間いらずで短時間充電で、一日安心して利用できます。
リビオシリーズは音声の快適性、明瞭性にもこだわっています。マスク越しでもスムーズに会話ができるように、独自のマスクモードも搭載。AIが音声の聞き取りやすさを瞬時に最適化し、マスクやソーシャルディスタンス、背景雑音がもたらす聞こえの低下を補ってくれます。
ウィズコロナ時代のコミュニケーションをもっとスムーズに
マスクを着用していてもコミュニケーションをスムーズに行うためには、話者の側にもできることがあります。ポイントを下記にまとめました。
1.マスクを着用しているときは、少し低めの声で
高い周波数の声は特に聞こえにくくなりやすいため、意識的に低めの声で話すように心がけましょう。
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2.母音部分を発声するときは、大きな口で
例えば「さかな」と発声するときは、「s a/k a/n a」の「a」の部分で、口唇や下顎の動きを意識し、大きめに口を動かすようにしましょう。
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3.アイコンタクトを長めに
目安は5〜6秒程度。こちらの意図が伝わっているのか、目でも合図を送りましょう。
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4.身ぶり手振りもまじえて
アイコンタクトだけではなく、ボディランゲージを交えるとさらに効果的です。
5.「話しはじめ」をわかりやすく
アイコンタクトやボディランゲージを特に活用したいのが、「話しはじめ」です。聞き手がしっかりと会話に意識を向けられるようにしましょう。
こうした聞こえへの配慮も、「ニューノーマル」に求められるもののひとつではないでしょうか。
本日、NHK「あさイチ」で取り上げられます
本日1月25日(月)のNHK「あさイチ」(午前8時15分~午前9時55分)で、「コロナでピンチ!耳トラブルの新常識!30代から始まる聴力低下」
マスク越しの会話が聞こえづらい・・・実はそれ耳の衰えのサインかも?「イヤホン」の間違った使い方、認知症と難聴の最新研究等、新常識満載で放送されるそうです。
ぜひみなさんでご覧ください。