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トピック

難聴と認知能力の低下

近年、難聴は多くの健康問題と関係性があると言われており、特に認知機能の低下、アルツハイマー病を含む認知症に深く関わっていると言われています。成人の健聴者と比べて、成人の難聴者は2~5倍認知症になり易いと言われています。

 

 

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コロンビア大学医療センター(CUMC) の最近の研究で、難聴の高齢者(80~90歳台)には補聴器の使用と認知能力に直接的な相関関係があることが分かりました。また、この研究には、難聴の高齢者が補聴器を使用すると補聴器を使用していない高齢者に比べて認知テストにおいてかなり良い成績だったことも述べられています。

 

この研究の目的は、認知機能に対する影響を補聴器が遅らせるかどうかを確認することでした。コロンビア大学医療センター・耳鼻咽喉科頭頸部外科のAnil K. Lawlwani教授と、ニューヨーク・プレスビテリアン病院やモルガン・スタンレー・チルドレン・ホスピタルの耳鼻科医達は、彼らの研究結果に関して次のように言っています:

 

補聴器を使用することは、難聴者を人と人とのコミュニケーションに関わり続けさせ、認知症発症を遅らせたり予防させるための簡単かつ重要な手段である。

 

 

更に、CUMCの研究では難聴が加齢と共に神経系統に影響を与えるという見解を裏付けています。2014年には、ジョンズ・ホプキンズ大学と国立加齢研究所(米国)が、健聴者と難聴者の脳変化の違いについて検討するため、メリーランド州ボルティモア市で長期的に行われている加齢に関する研究情報を利用しました。

 

被験者のMRIを長期に渡り分析した結果、健聴者に比べて難聴者の方が脳萎縮に加速が見られました。具体的には、「全体的に見て、健聴者よりも難聴者の方が毎年1立方センチ(㎝3)多く脳組織の体積を失っており、特に脳の構造で音声言語を処理している上側、中側、下側頭回の委縮が著しい」と、科学者達からは報告されています。

 

もはや難聴は現代において珍しいことではなくなりました。

 

そして、聴覚にとって統計的に変化期を迎える60歳を控える方にとっては、難聴と健康の関係性を知ることはとても重要です。

 

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トピック: 難聴と健康