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難聴と認知症の関係について

難聴には多くの物理的条件が関係していると言われており、ここ数年、アルツハイマーなどの認知症に代表される、認知機能の低下に深くかかわっていることが分かってきました。今回のブログでは、難聴と認知症の関係について少しお話したいと思います。

 

 

Alzheimer's brain image

 

 

日本でも、ここ最近、難聴と認知症の関係性について大きく取り上げられていますが、米国では10年以上前から研究が進められていました。

 

ジョン・ホプキンズ大学と国立老化研究所との合同研究では、加齢と共に委縮する脳において、難聴の高齢者は特にこの変化が著しいことがわかりました。この研究で、フランク・リン博士の研究チームは、米国バルティモア州に住む126人の高齢者を10年間に渡り長期的に調査しました。被験者は定期的に脳のスキャンと聴覚テストを受け、研究チームは各被験者の脳組織の幅を測り、その結果、難聴が見られる被験者は難聴のない被験者と比べて、脳の委縮速度が早いことが報告されました。

 

以下が、リン博士の研究結果です:

 

  1. 難聴者は健聴者よりも脳萎縮の速度が加速する

  2. ・毎年、脳組織の委縮する体積が健聴者よりも難聴者の方が1c㎥以上も大きい

  3. ・難聴者は、脳の構造で音声言語を処理している上側、中側、下側頭回の委縮が著しい


リン博士によると、難聴者において音声言語を処理する脳分野に委縮が見られることは不思議ではなく、この“聴覚も含む複合分野の悪化”は「聞こえないこと」が原因で起こる可能性が高いと言っています。また、これらの部位は単独では機能せず、他の部位と連携して一つのことを行っています。その結果、一つの部位の体積が減少すると、脳全体の悪化に繋がる危険性があります。例えば、音声の処理以外に、中側頭回と下側頭回は記憶と感覚を統合させる役割もあり、どちらかの部位が委縮することが、アルツハイマー型認知症の初期症状と見られています。

 

この研究の結果から、難聴と認知症には相関性があることが示されましたが、それと同時に、難聴の早期治療の緊急性も報告されています。リン博士は、「難聴がMRI検査で分かるような脳の変化の一因である場合、早期発見・早期治療が鍵になるでしょう」とも言っています。

 

早めに聞こえのチェックをして治療を受けることで、アルツハイマーなどの認知症を発症する可能性は低くなります。しかも、長期的に良好な脳の働きが維持できるということは、長期に渡り、心身ともに健康であり続けることができるということです。最新の研究でも、早期に聞こえをチェックすることが認知機能低下の予防となることが報告されています。

 

ところで、ここ最近、聞こえのチェックはされていますか? もしかしたら、貴方が思っている以上に、ご自身の「きこえ」を知ることが役立つかもしれません。

 

スターキーには専用の無料アプリで自分でも簡単に聴力チェックを行うことが可能です。

サウンドチェックアプリは下記からダウンロードが可能です。

 

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