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イヤホンの共用は安全でしょうか?

先日、飛行機で旅した時に機内を見渡すと、荷物にヘッドホンを入れていないのが私一人であることに気付きました。他の乗客は皆、自分用のヘッドホンを持っているように思われたので、私は客室乗務員にイヤホンを頼まなければいけませんでした。

 

このとき私は、ふと、他の乗客は他人とヘッドホンを共用したり、航空会社が無償提供してくれるイヤホンを使うのを避けるために自分用のものを持ってきているのかな?、と考え始めました。また、世の中の多くの人は何処にでも自分のヘッドホンやイヤホンを持っていくのか?共用のイヤホンはどの程度清潔なのか?そもそも、イヤホンを共用するのは安全なのか?というようなことを考えました。

 

イヤフォンはシェアして大丈夫?1

 

自分のイヤホンを常に持ち歩くと、イヤホンは様々なものの表面に接触することになり、机やテーブル、あるいは鞄からも、細菌が付着してくる可能性が増えます。イヤホンは不潔な表面に接触するだけでなく、そもそもイヤホンを使うことで耳の中の細菌の数が11倍に増えるという研究もあります。イヤホンを使うと外耳道に湿気と熱がこもり、細菌の繁殖にとっては理想的な環境が作られるからです。

 

細菌は悪者、耳垢は味方です

幸運にも、私たちの耳には細菌に対する防御性能が備わっています。それは耳垢です。外したイヤホンに付着しているのを見ることも多いと思います。誰の耳にも耳垢がありますが、耳垢は無害であり、むしろ役に立つものです。耳垢は耳の清潔を保ち、耳の防御と潤滑剤の働きも持っています。もしも耳垢がなかったら、外耳道の乾燥と痒みに悩まされるでしょう。

 

耳垢に関する過去の関連記事はこちら

 

・正しい耳のお手入れ方法(耳垢の処置について)

https://www.starkeyjp.com/blog/2017/06/how-to-properly-clean-your-ears

・耳の正しいお手入れについて

https://www.starkeyjp.com/blog/2015/12/how-to-clean-and-take-care-of-your-ears

 

耳垢は汚れや残骸を鼓膜から遠ざける働きも持っています。耳垢は耳の外側にあるアポクリン腺で作られます。アポクリン腺は汗を出す汗腺と類似のものです。そして、ストレスや恐怖を感じた時に汗が増えるのと同様に、ストレスの増大によって耳垢が増えることが知られています。

 

イヤフォンはシェアして大丈夫?2

 

感染症の確率は低いですが、ゼロではありません!

 

イヤホンの共用が安全かどうかについては、諸説があります。

 

ビジネス・インサイダー誌はコロンビア大学微生物学研究所で、22組の耳の中に入れるタイプのイヤホンを調べました。その結果、ほとんどのサンプルは研究者が予測した通りの結果、すなわちブドウ球菌などの私たちの皮膚に存在する細菌に関して陽性という結果を示しました。また、驚いたことに2つのサンプルにはイースト菌が付着していました。イースト菌とは真菌(かび)の一種で、感染症の原因になりますので、耳がイースト菌の感染症にかかる可能性もあることになります。

イヤホンを共用することによって、あなたの耳に新たな細菌が侵入し、耳の中の微生物の数が倍になる可能性があります。ほとんどの細菌は無害であり、有害な事が発生する確率は低いですが、イヤホンを共用することで中耳の感染症、真菌の感染、外耳道炎などのリスクは高くなります。外耳道に傷があれば、イヤホンの共用が皮膚感染症を起こす可能性もあります。

 

自分用のイヤホンを携帯しましょう

上記の理由から、イヤホンの共用は避けることをお奨めします。もしも、やむを得ず共用する場合は、最初にイヤホンを除菌ウエットティッシュや消毒スプレーを綿球に湿らせたものを使って綺麗にすると良いでしょう。目に見える耳垢の残りを丁寧に拭き取り、そこに隠れている目に見えない細菌を除去するのです。

 

トピック: 難聴と健康