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【ユーザーズボイス】補聴器に導かれた私という運命について 中編

ユーザーズボイス第2回目は、仕事のため補聴器を使ってみようと決めた平元さんの補聴器選びと装用についての葛藤、そしてパートナーとなった補聴器との出会いが綴られます。

 

読み進める前に以前までのストーリーを確認したい場合は下記からご覧ください。

・第1回(前編)はこちらから

・第3回(後編)はこちらから。

 

UserSVoice_01.jpg

 

身近な母が補聴器を使っているにも関わらず、私には補聴器を使うことが自分が思う以上にとてもハードルが高いものでした。

 

それは自分が「出来ない」ということを認めるようでもあり、そう思うことが母をも否定しているようにも思え、そんな風に思う自分を責めたくもなり、どうにもこうにも自分の心の落ち着きどころを見つけられないまま、人生初めての補聴器を使い始めました。

 

病院の先生が「目が悪い人がメガネをするのと同じだよ、耳が悪いのも自分の個性と考えてはどうだろう?」と言って下さいましたが、その時はその想いには到底至れず、先生の目の前で泣いてしまいました。

 

その帰り道に電車の中に手話で話す若い女の子を見かけました。彼女はムーミンに出てくる「ミー」みたいに髪の毛をアップにしていて、蛍光ミドリの補聴器をしているのが見えました。私には彼女がありのままの自分で堂々と生きているように思え、彼女が眩しくて、かっこいいと心から思い、いつの日か彼女のように補聴器をした両耳をさらけ出して街を歩けるようになりたいと密かに思いました。

 

そして今でも初めて補聴器をつけた日のことを覚えています。

 

クリニックを出て街を歩き出すと、私がこれまで聞き逃していた「音」はこんなにもあったのだと気づき、驚くと共に嬉しくなりました。空高く鳴く鳥の声、風の音、車が近づく音、すべてがとても新鮮で人生の幅が広がっていくように感じました。

 

職場でも全てが聞こえるようになったわけではありませんが、健常者であっても皆聞き取りにくい音域があるように、私はちょっとその音域が広いだけだと捉えられるようにもなりました。

 

その一方で、補聴器をしていることは誰にも言えない秘密のままでした。

 

補聴器の電池が切れるとパニックになりそうでしたし、いつの間にか身につけた「聞こえているフリ」をするのも疲れてきました。ハウリングがするから、男性が耳元で囁いたり、耳元に触れようとすると無意識的に拒絶反応が出てしまったり、補聴器を使い出して日常生活が楽になってきた一方で心はどんどん苦しくなってきました。出来ないありのままの自分を受け入れられなかったのです。

様々な要素が重なって、3年前についに私はFacebook上で「補聴器を付けている」ことをカミングアウトしました。聞こえているフリをもうしたくなかったし、補聴器を付けている私が本当の私だと伝えたかったのです。

「人にどう思われてもいいこれが私」だと言いたかった。もう取り繕って生きていくのが苦しくて終わりにしたかったのです。そしてもうどこへも逃げられないようにこれでもか!というぐらいにバッサリとロングヘアを耳が出るぐらいのショートカットにしました。これが「私」。

 

投稿した瞬間は怖くてドキドキしたけど、同時にとてもすっきりしました。

これであの蛍光ミドリの補聴器をした彼女に少し近づけた気がしました。

 

実際はたくさんの方から「いいね」を貰い、同じように悩んでいる方からコメントや相談を頂きました。私が本当の私として生きるために投稿したことが、思いがけずたくさんの方に勇気を与えたと言われてとても嬉しかったです。

 

一つ階段を登りました。

 

最初の補聴器は長持ちして7年使いましたが、この10年で携帯電話が目まぐるしく進化したように、その間補聴器も進化を遂げていました。初代の補聴器で聞きとりが困難な局面に度々直面して泣きたくなるようなこともあり、いよいよ私の2代目の補聴器探しが始まりました。

 

補聴器は高額医療機器であるし、私のパートナーとなる2代目の補聴器も自分で納得ができる補聴器に出会うまで諦めずに探そうと決めていました。初代補聴器の修理で当初からお世話になっていたお店の担当の方にそう伝えると快諾してくださり、「平元様が納得行くまで、私も一緒にお探しします」と言って下さいました。

 

1つ目の補聴器はiPhoneに連動するタイプのものでしたが、音楽を聴くと電気の消耗が激しく、またコネクションがとても悪かったのでコネクションが切れる度に、どこでもデバイスを設定し直さなくてはならず、安心して使えず、iPhoneとの連動性を享受出来なかったのでお返しすることとなりました。

2つ目の補聴器は1つ目よりも安定性はあったもののiPhoneとの連動性がなかったので、1代目の補聴器に比べると聞こえは良くなっているように感じたけれど、これでないと困るという印象がなく、費用対効果が得られないように思ったのでこちらもお返ししました。

 

私の補聴器探しもかなりの月日が経ち、担当の方に申し訳ないと思いだしましたが、そんなことも気になさらず、「納得のいく補聴器を探しましょう!」と私を励ましてくださいました。

 

 

Halo2_wirelessFamily.jpg

 

そして3つ目に出会ったのがスターキー社の「Halo(ヘイロー)」でした。

 

平元さんに勇気を与えた蛍光ミドリの補聴器をした女の子。

そんな勇気が現在の平元さんの活動につながっているのだと改めて感じました

次回のユーザーズボイスではパートナーとなった補聴器が導いた平元さんの現在に迫ります。

 

第3回(後編)はこちらから。

 

トピック: 補聴器, 体験談