難聴の放置は、私たちの生活に大きな影響を与える可能性があります。研究によると、未治療の難聴は、ストレス、うつ病、社会的孤立、さらには認知機能の問題に繋がっていくだけでなく、転倒のリスクを高める原因になるなど耳だけの問題ではなくなっていきます。
さらに、難聴は本人だけでなく配偶者、家族、友人にも影響を与えます。会話中に何度も同じことを繰り返すと、伝わらないことに、話し手のほうがイライラする可能性があります。かつて、家族や友人など大切な人と一緒に楽しんでいた社会的状況が失われていくことは悲痛なことでもあります。
気付きをそのままにしないで下さい
大切な人に、きこえが低下しているのではないかと伝えることは、助ける方法がわからない場合でも正しいことです。大切な人と難聴について直接話すことは、とても重要です。聞き逃した会話の一部を繰り返したり、言い換えたりする必要があるたびに、そっと問いかけてみてください。
きこえについて伝えるのは失礼じゃないかという心遣いから、あなたが気付かないふりをすることで、大切な人のきこえはさらに低下していく可能性もあります。また、会話を何度も繰り返したり言い換えたりしていると、何について話しているのか分からなくなり、お互いに会話を見失い、コミュニケーションが疎遠になる可能性があります。あなたの優しい心遣いが、大切な人のこれからの生活にどのように影響するか、今一度、考えてみませんか。
きこえの専門家に相談しよう
きこえについては耳鼻科の先生に相談されると良いでしょう。治せる難聴なのか、補聴器が必要な難聴なのかを診断して下さるだけでなく、きこえについて疑問に思っていることを教えて下さると思います。
また、スターキーでは、きこえについて・耳の構造について・補聴器についてまとめた冊子「きこえ」のガイドブックがありますので、こちらも併せてお読み下さい。
「きこえ」のガイドブックをダウンロードする
早めに対処することで、お互いが助かります
ある日、突然大切な人が、自身のきこえについて相談してきても驚かないでください。相手は勇気を振り絞って相談しているかもしれないので、しっかりと相手に向き合って、思いを聞いてあげましょう。きこえの低下に悩んでおられる方は、補聴器を装用するまでに5〜7年かかると言われています。つまり、あなたの大切な人は、きこえの低下に気づいているかもしれませんが、自身の変化を素直に受け止められていない場合があります。あなたは、大切な人を励まし、味方であることを伝えてあげましょう。
あなたは、大切な人に「失うものは何もないし、対処することで得るものはたくさんある」ことを伝えてください。あなたが、忍耐強くサポートすることで、よりよい関係を築くことが出来るでしょう。
::過去記事::
補聴器を装用して、社会で活躍している若者もいます。
【ユーザーズボイス】補聴器に導かれた私という運命について 前編
【ユーザーズボイス】補聴器に導かれた私という運命について 中編
【ユーザーズボイス】補聴器に導かれた私という運命について 後編